インタビュー
2023-8-9
吉報 vol.1「こぼす」主宰インタビュー
#吉報#鼎談
ユニット名「吉報」の由来について
ユニットの名前を「吉報」に決めた理由や、そこに込められた意味についてお聞かせください。
森: 企画が始まった段階ではユニットの名前とかって特になくて、だから3人で考えましたよね。
新宮: 全然覚えてないですよ。
森: 結構前ですもんね、もう2ヶ月前ぐらい。
新宮: 僕は濃厚な日々を過ごしているので、ちょっと忘れてしまいました。
森: 僕は薄い日々を過ごしているのではっきり覚えてるんですけど…3人で案を出しあいましたよね。
岡本: いっぱい出したね。
森: なんかちょっとふざけたのもあったりしながら。
岡本: それぞれこういうのは苦手みたいな。あまりにも尖ってるようなやつはやめておこうとか、そういうバランスの中で、収まりのいいポジティブなものを探してたね。
森: ちょっと奇をてらったタイトルにしたいなと僕は思っていたんですけど、でも活動を継続していくなかでずっと残るってなると恥ずかしくなっちゃうだろうなとも思って。
岡本: 最初は結構長めのやつとかもありましたよね。
新宮: なんかドラゴンみたいなやつありませんでしたっけ?
岡本: あー、ケルベロス…
森: 「演劇ケルベロス」ですね。僕はそれ、結構粘ってましたね。
ケルベロス
ギリシャ神話に登場する冥府の番犬。三つの頭と蛇の尾を持つ。
新宮: 僕は絶対に嫌だったんで、本当にそれにならなくて良かったです。ケルベロスにも演劇にもなんか申し訳ないし。
森: 「演ケル」って略してもらえますけどね。
新宮: それ何のことか分からないでしょ。
森: まあでも、やめてよかったです。
新宮: そうなんだ(笑)
森: 結果としてですよ。あの時の僕は「演劇ケルベロス」しかないと思ってましたけど。 そんな感じで、尖ってるタイトルも嫌だし、逆に守りに入った、ちょっとへりくだったようなタイトルもあったじゃないですか。その中では「吉報」って結構ポジティブなイメージで。
岡本: そうですね。なんかそういうバランスいいのが残って。
森: そうそう。「吉報」のバランスが良かったんですね。ポジティブな印象でありながら、調子に乗りすぎてはいないみたいな。 でもそういう経緯を知らない人からしたらけっこう大きく出たなって感じなのかな。「よい知らせ」ですもんね。
岡本: よい知らせにしなきゃいけないからね。
森: 自信を持って打ち出してる感じがしていいと思ってます。
新宮: まあでも森さんだけは「演劇ケルベロス」がいいと。
森: いや、もう今はその気持ちは一切ないです。信じられないです、当時の自分が。
共通テーマ「こぼす」について
第一回目の公演テーマが「こぼす」となっていますが、その狙いや決まった経緯をお聞かせください。
森: 共通のテーマを設定するかどうかみたいなことから話し合いましたよね。
新宮: そうですね。
森: 各団体が自由にやるか、なんかルールとかテーマを決めてやるか、どっちがいいんだろうみたいなことで。 それで、お客さん的にもなんか縛りがあったら、それを3団体がどう話に入れてくるのかを楽しめるんじゃないかってことで、何かしらのテーマを考えようってことになったんですよね。 ユニット名と同じように3人で案を出しあって。
岡本: 覚えてるのは「舞台上に岩があって、岩が喋る」っていう。
森: そんなのありましたっけ。
岡本: もっと軽いのだと「先輩って呼ばれる人が出てくる」みたいなのとか。
新宮: それ森さんですね。
森: そんな名指しで(笑)
新宮: 覚えてるんですよ、森さんのは。先輩が出てくるのと「演劇ケルベロス」。
森: 「吉報」を決めた時もそうでしたけど、難航しましたよね。
新宮: お互いが自分のセンスを信じてないから。
森: 「吉報『こぼす』」ってなかなか収まりいいですけど、全然違うのになったらすごいことになってましたね。「演劇ケルベロス『岩が喋る』」になる可能性があったので。
・・・
森: なんかそのテーマになる文言をいろんな形で解釈できるといいよね、みたいなのはありましたよね。 「岩が喋る」だと解釈のしようがあんまりなくて、同じような話ができちゃいそうだから。
岡本: 最初は全組が物理的に水をこぼすシーンを絶対入れるみたいなことになってたんだよね。 それでけっこう盛り上がったんだけど。途中怖くねとか、なんか変な笑いになっちゃうかもとか、なんかそんな感じになって。 「こぼす」という文言だけで、別に物理的にこぼすわけじゃなくてもいいということにしておくと、別の意味もあるからいいよね、みたいなことを言ってて。
新宮: 愚痴をこぼすとか、そういう風に変えてもいいんじゃないかみたいなので、解釈の幅を作ることでまとまった。
森: だから最初の頃の案はけっこう具体的なものが多かったんですよね。
新宮: 「怪我した人が出てくる」とかありましたね。
岡本: そうそう。
森: 面白いっちゃ面白いけど、なんかやっぱりおふざけになっちゃうかもな、みたいな懸念があって。 結果的にはすごくいいところに落ち着いてますよね。やっぱ長い時間話し合って決めただけあって。ふざけちゃう3人じゃなくてよかったです。
少しラフな話題に
ではここからはすこし話を逸らしていきますが、皆さんが最近「こぼした」ものを教えてください。
新宮: 僕はお味噌汁こぼしましたよ。
森: それは大変だ。
新宮: お味噌汁をこぼしてすごく悲しい気持ちになったんですよ。
森: 僕も結構しょっちゅうこぼしてますね。
新宮: 気をつけた方がいいですね。
森: 気を付けたいですよね。
新宮: どうにもならないですよね。こぼした時に「なんでこぼしたんだろ、俺?」ってなりません?
森: なんかしばらく手が止まっちゃうんですよね。すぐ拭いた方が絶対いいのに。とりあえず手だけ洗いに行って、こぼしたものをちょっと見ちゃうみたいな。
新宮: こぼしたものへの罪悪感とかもありますよね。
森: あんまり「こぼす」っていい方向にいくことって無いですよね。大事な情報をこぼす、とかもそうだし。
新宮: 岡本さんは最近こぼしました?
岡本: なんか僕、人とご飯食べるときに喋る方にばっか集中しちゃってこぼしちゃうとかよくあるんだけど。 それですごい盛り上がってる時とかに瓶とかをがちゃんってこぼして、台無しにしたことがいっぱいあるよ。
森: 最悪ですね。
岡本: それを気を付けようってずっと思ってる。昔よくやってたんだけど、大学生の時とか。
新宮: 大学の後輩ですけど、やってるイメージありますね。
森: そうなんですか?(笑)
新宮: テンションが上がったときによくやってます。
岡本: そうなんだよ。楽しいんだよ。楽しいだけに落差がひどい。
森: 手振りが大きくなってグラスとかに当たっちゃうんですね。
岡本: そう、悲しい。
新宮: それだけ楽しめるってのは幸せなことですよね。森さんなんて楽しんでないのにこぼしてるわけですから。
森: 家で一人でご飯食べてる時にこぼすよりは、飲み会で楽しくなってこぼす方がいい「こぼし」ではありますね。 しかも飲み会でこぼした時って、大体自分で拭かなくていいですからね。こぼすにしてもそっちのほうが楽ですよね。
岡本: でも、結構迷惑かけてるかもしれないから、楽だからいいという意見は同意しないでおくよ。
新宮: どれだけの人が拭いてきてくれてると思ってるんですか。
岡本: はは(笑)、そうね。
森: こぼすということは、つまり拭くということでもあります。
新宮: これ結構名言だなあ。
岡本: 名言だ。
森: 「吉報」を観にいく上で覚えておいた方が良い事かもしれないですね。
あともう一点、皆さんの最近の「吉報」について、何かあればお聞かせください。
森: 悪い知らせはちょこちょこ届いてるんですけど、いい知らせとなると…
新宮: ここ数年無いですね、ここ数年。
森: 吉報ってなんだろう。なんか友達に話したくなるような、嬉しいことでしょう。「こういうことがあったよ」みたいな…うーん、ないですね。ニュースも暗い話題ばっかりで。
岡本: 個人的に良かったことぐらいでいいんでしょ?
森: 全然いいですよ、それが吉報ですから。
岡本: 僕、下呂に二泊三日で一人で行ってて。
新宮: いいですね。
岡本: リフレッシュしつつ台本書くみたいな感じだったんだけど、そこの鶏ちゃんがね、うまかった。味噌っぽいので焼いたやつがね。
鶏(けい)ちゃん
岐阜県下呂市の郷土料理。鶏肉とキャベツを味噌ベースのタレで煮込んだもの。
豚のホルモン焼きを「豚(とん)ちゃん」と呼ぶことから、鶏肉を使った料理を「鶏ちゃん」と呼ぶようになったといわれている。
新宮: いろんなところにありますけどね。
岡本: あの調理法だったら日本中にあると思うんだけどね。
森: まあ味噌で炒めりゃいいんですもんね。
新宮: 確か発祥地はいっぱいあるんですよ。
森: 元祖を名乗る店がいっぱいあるみたいな。
新宮: 温泉も入ったんですか?
岡本: もうめっちゃ入ったよ。一日に2、3回入って。
森: 変に歩き回って観光したりせずに、もう宿にずっといて。
岡本: そうそう。朝入って夜にまた入る温泉ってすげえいい。
新宮: いいっすね。
森: 吉報だなあ。
岡本: 森くんもどこか出かけてなかった?
森: 僕は香川に行ってきました。でも僕はうどん巡りをしたので、全然ゆっくりできずに、車で駆けずり回って。
新宮: うどんはどれくらい食べたんですか?
森: 定休日のところを3軒ぐらい引き当てちゃって、行きたい店5軒あったのに、2軒しかいけなかった。
岡本: 5って多くない?
森: でもうどん巡りするなら5ぐらい行くらしいですよ。むしろ少ないくらいで。3軒も定休日を引き当てちゃうのは全然吉報ではないんですけど。
新宮: 四国に行ってうどん食べることが吉報ですよ。
森: うどんおすすめです。あと名古屋とか東京に比べてなんか涼しい気もしましたね。ぜひ皆さん香川行ってください。
吉報は常に身近にあるということですね。
森: 小さな吉報を大切に。
新宮: 気付けてないのかもしれない…
森: 「吉報」を観て、吉報だと思ってくれたら嬉しいですね。
次のページでは公演に向けた意気込みなどについて話していきます。